概念: スケジューリング最適化エンジン
最適化エンジンとは
最適化エンジンは、人工知能により、考えられる多くのスケジューリング シナリオを比較し、ニーズを最も効果的に満たすスケジュールを生成します。最適化エンジンでは、以下の要素を考慮してスケジュールが作成されます。
- 必要人員数のニーズ。
- 従業員の属性 (資格条件、空き状況、プリファレンスなど)。
- 設定とビジネス目標。
必要人員数
最適化エンジンでは、スケジューリング組織 (SO) レベルで定義された必要人員数のデータに基づいてスケジュールが生成されます。以下を指定して、組織の必要人員数を定義します。
- 行う必要がある作業のタイプ。
- 作業を行うために必要な従業員の数。
- 作業を行う必要がある特定の期間。
シフトの指定と割当
シフトの長さは、最上位スケジューリング組織 (HLSO) の設定と必要人員数の組み合わせによって決まります。最適化エンジンでは、人員が必要とされる期間の範囲外に発生するシフトは作成されません。また最適化エンジンは、HLSO に対して定義された最小シフト長および最大シフト長の検証や食事ルールに違反するシフトを作成しません。代わりに、HLSO での定義に従って食事期間が作成され、食事期間の間隔が対象期間の要件に最も適合するように調整されます。一貫性の設定がゼロより大きい場合、最適化エンジンは、過去分の参照期間における従業員のシフトの開始時間と終了時間に基づいてシフトを作成する可能性もあります。
Workday では、未割当のシフトでスケジュールが生成されることはありません。従業員をシフトに割り当てることができない場合、そのシフトはスケジュールに含まれません。対象範囲において、必要人員数と生成され割り当てられたシフトとの間にギャップがあれば、その箇所が自動的に示されます。また、カバー率が超過または不足している可能性がある箇所も示されます。
ハード制約: 固定または緩和可能
最適化エンジンは、固定されたハード制約に違反しないスケジュールのみを作成します。
- 空き状況: 従業員がスケジューリングに影響のない休暇または休職・休業を取っており、それがシフトと重複する場合、その従業員は対応不可とみなされます。
- 最大シフト長: シフトは HLSO で定義されている最大シフト長を超えことはできません。
- シフト間の最小インターバル日数。
- 最小シフト長: シフトは HLSO で定義されている最小シフト長を下回ることはできません。
- 食事ルール: シフトは、HLSO で定義されている食事ルールに準拠する必要があります。
- 1 日 1 シフト: 従業員に複数のポジションまたは複数のスケジュール タグの割当がある場合でも、従業員に自動的に割り当てられるのは 1 日 1 シフトのみです。
- 重複シフト不可: 従業員を複数のシフトに同時に割り当てることはできません。
- スケジュール タグの資格条件: 従業員がシフトに割り当てられるには、スケジュール タグの割当を通じてそのシフトの資格を得る必要があります。
ハード制約に違反する可能性があるのは、生成されるスケジュール週の整合性が有効になっている場合のみです。この場合、シフトが手動で更新された際に、過去分の参照期間において最小時間、最大時間、または食事ルールに違反があると、その違反がスケジュールしようとしている週に繰り越される可能性があります。
緩和可能なハード制約もあり、この制約はハード制約である場合とハード制約ではない場合があります。ハード制約でない場合、この制約は目標して扱われます。スケジュール設定を通じて、以下の制約を緩和可能 (目標として扱う) にするか、ハード制約にするかを設定できます。
- 最大週間時間数。
- 最大勤務日数。
ハード制約に違反しないスケジュール ソリューションが最適化エンジンで見つからない場合、最適化エンジンによって "必要人員数" と "最小週間時間数" のハード制約が緩和される可能性があります。最適化エンジンは、これらの制約をソフト制約として処理し、他のハード制約に違反しないソリューションを見つけ出せるようにします。
ソフト制約/目標
Workday Labor Optimization は、ハード制約を解決する際に、スケジュール生成時に定義されたビジネス目標も達成しようとします。ソフト制約は調整可能であり、最適化エンジンが可能な限り従う必要がある目標です。最適化エンジンがこれらの制約を満たしている場合、スケジュールの品質とスコアが向上しますが、ソフト制約が満たされていない場合でも、最適化エンジンはスケジュールを生成します。ソフト制約には次のものがあります。
- 整合性
- 必要数のカバー率
- 労務費
- 最大週間時間数
- 最小週間時間数
- 最大勤務日数
- 優先日時
- 優先スケジュール タグ
- 優先週間時間数
ソフト制約は HLSO によって設定され、0 ~ 100 の範囲で加重されます。ソフト制約を無視するように最適化エンジンを設定するには、加重値をゼロに設定します。これらの設定は従業員レベルで上書きできます。スケジュールの生成時点では、従業員レベルの上書きがスライダーの設定よりも優先されます。
Workday は、各ソフト制約の相対的な重要度を決定する固有の加重値を管理しています。Workday 固有の加重値は次のとおりで、最大から最小へと重み付けが行われます。
- 整合性。
- 最大週間時間数。
- 最小週間時間数。
- 最大勤務日数。
- 必要数のカバー率。
- 労務費。
- 優先週間時間数。
- 優先スケジュール タグ。
- 優先日時。
これらの設定は、HLSO の設定によって自動的に入力されます。
スライダー
マネージャはスケジュールを生成する際、スライダーを使用してさまざまなソフト制約の加重値を制御できます。スケジュールが最初に生成される際に、HLSO に定義された設定に基づいてスライダーが自動的に配置されます。マネージャがスライダーの設定を調整してスケジュールを生成すると、そのスケジュール設定は翌週に継承されます。
一貫性
一貫性の値を使用すると、週ごとのコピーであるスケジュール、またはコピーに近いスケジュールを作成できます。一貫性により、シフトの開始時間、終了時間、食事がコピーされますが、スケジュール タグはコピーされません。スケジュール設定がゼロより大きい場合、整合性は他のすべてのソフト制約より加重値が重くなります。
HLSO または上書き設定に応じて、1 週間前または 2 週間前までさかのぼって、比較する参照スケジュールが検索されます。参照スケジュールに休暇が含まれている場合、さらに 1 回分 (1 週間または 2 週間) の過去の参照サイクルまでさかのぼって、休暇のない週が検索されます。従業員の参照スケジュールが見つからない場合、最適化エンジンでは、その従業員の一貫性が無視されます。
一貫性の設定がゼロより大きく、以下の 1 つ以上のルールを手動で上書きした参照週にシフトが存在する場合、手動による上書きが適用され、現在の週に反映される可能性があります。
- 食事。
- 最大シフト長。
- 最小シフト長。
参照週のシフトが現在の週の必要人員数を満たす必要がない場合でも、そのシフトは現在の週内で生成される可能性があります。
スケジュール スコア
最適化エンジンは、スケジュールの生成後、以下のディメンションに基づいて総合スコアをスケジュールに付けます。
- 整合性。
- カバー率。
- 労務費の最小化。
- 従業員の優先スケジュール タグ。
- 従業員の優先週間時間数。
Workday では、各ディメンションのスコアだけでなく、スケジュールが各ディメンションにどのようにマッチングしたかについての説明も表示します。定義したソフト制約の加重値は、スケジュール スコアや各ディメンションのスコアに影響しません。例:
"一貫性"
の加重値を "低" に設定します。最適化エンジンによって、過去の参照サイクルにおけるシフトとの一貫性がないシフトを含むスケジュールが生成されます。そのため、"一貫性"
スコアが "Poor"
と表示される可能性があります。従業員の交代スコア
従業員がハード制約 (空き状況やスケジュール タグの資格条件など) に違反することなくシフトに入れる場合、既存のシフトの交代従業員としてその従業員が推奨されます。推奨される従業員は、交代スコアに基づいた順番でランク付けされます。交代スコアが
"Match %"
として表示されます。以下の要素を考慮して "Match %"
が計算されます。
- 支給レートが高い従業員や、時間外勤務時間が発生する従業員は、マッチ度が低いとみなされます。
- シフトが従業員の優先勤務時間から離れるほど、マッチング スコアは低くなります。
- 優先スケジュール タグがシフトに存在している従業員は、マッチングしているとみなされます。